マンション、一軒家問わず、不動産を持っている場合に毎年かかってくる固定資産税。
リフォームすることによって高くなってしまうのでは?という不安から
リフォームに二の足を踏んでいる方もいらっしゃるようですが、必ずしもそうとは限りません。
今回はそんなリフォームと固定資産税の関係について解説していきたいと思います。
目次
固定資産税について
まずは固定資産税について簡単に説明していきましょう。
固定資産税の定義については「固定資産税は、1月1日(賦課期日)現在の土地
家屋及び償却資産(これらを「固定資産」といいます。)の所有者に対し
その固定資産の価格をもとに算定される税額を、その固定資産の所在する市町村が課税する税金です。」
(東京都主税局HPhttps://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/shokyak_sis.htmlより抜粋)とあり、
固定資産を保有している限り毎年支払い義務が生じる物となります
税金算出の計算式は固定資産税評価額×標準税率0.14(東京都の場合)となっています。
また、この固定資産税評価額については土地の場合は公示価格の70%程度、
建物の場合は建築費の50~70%となることが多いようです。
またこの固定資産税評価額は3年で見直しとなりますが
建物の場合は減価償却されるので基本的には改定の際には
減額となっていきます(例外もあります)。
リフォームと固定資産税の関係
前項でご説明した固定資産税ですが、家屋の状態が変わると家屋調査が行われ
その結果に基づいて評価額が見直しとなります。
ただ、全てのリフォームが見直しの対象となるかというとそうではなく
一般的には建築確認申請が不要なものであれば見直しの対象とはなりません。
以下に固定資産税とリフォームの関係を見ていきましょう。
固定資産税が変わらないケース
基礎部分に影響しないリフォーム
これは壁や床、トイレや浴室、キッチンなどの造作について
経年劣化による不便の解消のために行われる工事や
間取りの変更を伴わない工事などがこれにあたります。
また、柱や基礎部分に関係しない程度であれば耐震補強をすることも可能です。
購入した建物がそのままでは住めないという場合
例えば、中古で住宅を購入したが、傷みが激しく補修しないと住めない
と言った場合にはリフォームを行っても固定資産税は変わりません。
ただ、リフォーム済の中古物件を購入した場合は
既に固定資産税が増額となってしまっている場合もあるので注意が必要です。
ここまでを簡単に言うと、経年劣化の補修のため行ったリフォームの際は
単なる補修とみなされ、資産価値には影響を及ぼさないという観点から
固定資産税が増額となることはない、ということになります。
固定資産税が増額となるケース
先ほど述べた通り、「建物の資産価値が上がらなければ固定資産税も増額とはならない」
ということなので、反対にリフォームを行うことによって建物の資産価値が上がる場合は
基本的に固定資産税が増額となる、と考えて良いでしょう。
また、大規模なリフォームの際には「建築確認証明」が必要となる場合がありますが
こちらが必要なリフォームを行った場合は、ほぼほぼ固定資産税は増額となります。
延べ床面積が増える
簡単に言うと、増築して部屋や階段、廊下や階数(平屋を2階建てなど)
が増えると増額の対象となります。
大規模なリフォーム
スケルトンリフォームなどとも呼ばれますが、建物の骨組みのみを残して後は
全て解体し、全く新しいものを作った場合には増額となります。
某テレビ番組で匠がリフォームしているのはほぼこれに当たります(例外もあります)。
建物の利用目的変更に伴うリフォーム
こちらは例えば、これまでは居宅として使っていた建物の1階部分で
カフェを開くためにリフォームした、と言った場合です。
この場合ですと建築確認証明が必要となってくるので
必然的に固定資産税も増額となるわけです。
固定資産税が減額となるケース
反対に、リフォームをすることによって固定資産税が減額となるケースもあります。
耐震リフォーム
以下にあげる要件を満たしている場合は耐震リフォームをすると減額となります。
- 昭和57年1月1日以前から所在する住宅であること(中古住宅や中古マンション、アパート含む)
- 新耐震基準に適合する耐震改修であること
- 耐震改修の費用が50万円を超えること
これらを満たしていればリフォームをした翌年1年に限り固定資産税が半額となります
(120平方メートル分までに限る)。
省エネリフォーム
省エネを目的としたリフォームの場合も以下の要件を満たしていれば減額となります。
- 賃貸住宅でないこと(中古マンションやアパートなどの共同住宅は含まない)
- 平成20年1月1日以前から所在する住宅であること
- 工事後の床面積が50平方メートル以上
- 省エネの改修工事が下記の要件を満たすこと
窓の改修工事
またはこれと併せて行う床の断熱工事、天井の断熱改修工事、壁の断熱改修工事
改修部位がいずれも平成25年省エネ基準相当に適合すること(2017年12月時点の情報です)
省エネの改修工事費用が50万円を超えること※補助金などを除く
これらの要件を満たしていれば、こちらもリフォームをした翌年1年に限り
固定資産税が1/3減額となります(120平方メートル分までに限る)。
バリアフリーリフォーム
バリアフリーを目的としたリフォームの場合も以下の要件を満たしていれば減額となります。
- 賃貸住宅でないこと(中古マンションやアパートなどの共同住宅は含まない)
- 下記のいずれかに該当するものが居住していること(65歳以上、要介護または要支援の認定を受けている、障がい者)
- 新築された日から10年以上経過していること
- 工事後の床面積が50平方メートル以上であること
- 一定のバリアフリーリフォームが下記のいずれかに該当すること
- 通路などの拡幅
- 階段の勾配の緩和
- 浴室改良
- 手すりの取り付け
- トイレの改良
- 段差の解消
- 出入り口の改良
- 滑りにくい床材へ取り替える
6. バリアフリーリフォームの工事費用が50万円を超えること※補助金を除く
これらの要件を満たしていれば、こちらもリフォームをした翌年1年に
限り固定資産税が1/3減額となります(100平行メートル分までに限る)。
まとめ
さて、今回はリフォームと固定資産税の関係について説明してきましたがいかがでしたでしょうか。
税金の計算はとかく面倒なものですが、やり方次第では固定資産税に影響を与えずに
リフォームを行うことができるのもご理解いただけたのではないでしょうか。
この記事が皆様の参考となれば幸いです。
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